このチャプターでは、データベースの基本的な概念と、その中でも特に重要な「リレーショナルデータベース」について説明します。

データベースとは

私たちの身の回りには、大量のデータが存在しています。企業の顧客情報、商品の在庫データ、ウェブサイトのアクセス記録、SNSの投稿内容など、日々さまざまなデータが生み出されています。

データベースとは、これらのデータを効率的に保存し、必要なときに取り出せるようにする仕組みです。大量のデータを整理して保管し、検索や更新を素早く行えるように設計されています。

リレーショナルデータベースとは

データベースにはいくつかの種類がありますが、その中で最も広く使われているのが「リレーショナルデータベース」です。リレーショナルデータベースとは、データを表形式で管理するモノです。

具体的には、Excelの表をイメージしていただくと分かりやすいと思います。行と列で構成された表の中に、データを整理して保存します。

顧客ID氏名メールアドレス電話番号
1山田太郎yamada@example.com090-1234-5678
2佐藤花子sato@example.com080-9876-5432
3鈴木一郎suzuki@example.com070-1111-2222

このような表形式でデータを管理するのが、リレーショナルデータベースの仕組みとなっています。

リレーショナルとは

リレーショナルデータベースの最大の特徴は、複数のテーブルを関連付けることができる点です。

「リレーショナル(relational)」という言葉は、「関連(relation)」を意味します。つまり、リレーショナルデータベースとは、複数の表(テーブル)同士を関連付けながらデータを管理できるデータベースのことを指します。

例えば、オンラインショップを運営している場合を考えてみましょう。必要なデータは大きく分けて2種類あります。

顧客テーブル

顧客ID氏名メールアドレス
1山田太郎yamada@example.com
2佐藤花子sato@example.com

注文テーブル

注文ID顧客ID商品名金額
1011ノートPC120,000
1022マウス3,000
1031キーボード8,000

注文テーブルの「顧客ID」が、顧客テーブルの「顧客ID」と一致していることに注目してください。この共通の項目(顧客ID)によって、2つのテーブルが関連付けられています。これにより、「山田太郎さん(顧客ID = 1)が何を注文したか」をカンタンに調べることが可能となります。

これがもし、1つの大きな表にすべての情報を詰め込もうとすると、同じ顧客情報が注文ごとに何度も重複して記録されてしまいます。リレーショナルデータベースでは、データを適切に分割し、必要に応じて関連付けることで、無駄な重複を避けながら効率的にデータを管理できるのです。

データベースのメリット

確かに、ExcelやCSVを使ってもデータを保存することは可能かもしれません。しかし、データベースを使うことには、次のようなメリットがあります。

  1. データの一元管理
    複数の人が同じデータを共有して使用できます。例えば、会社の顧客情報を営業部門と経理部門で共有することができます。

  2. データの整合性
    同じデータが複数の場所に散らばっていると、更新漏れや矛盾が発生しやすくなります。データベースでは、データを一箇所で管理するため、このような問題を防げます。

  3. 高速な検索
    適切に設計されたデータベースは、膨大なデータの中から必要な情報を瞬時に取り出すことができます。

  4. データの安全性
    データベースには、不正なアクセスを防いだり、障害が発生してもデータを失わないための仕組みが備わっています。

そのため、個人で小規模なデータを扱う場合はExcelやCSVでも十分ですが、企業や組織で大量のデータを複数人で管理する場合には、データベースが不可欠となっています(※本書では、特に断りのない限り「データベース」という用語は「リレーショナルデータベース」を指すものとします。)